愛シテアゲル
怖いのは俺もいっしょだよ。(2)
淫靡で卑猥な愛撫の後に、夢のような優しいキスの雨。
だけどキスをしながら、先ほど小鳥の中に侵入し突き立てた指先はそのまま。じっくりそっと動かし始める。
やっぱり痛い。でも小鳥は、それを悟られないよう必死に隠した。なのに、耳元で翔兄が『小鳥、いい感じだ。俺の指も熱くて熔けそうだよ』なんて低く囁いてくれたり、優しい唇が甘くあちこちをくすぐる。彼の唇は優しい甘さを紡いでくれているのに、彼の指は獰猛に熱い痛みで掻き乱す。甘くて痛くて、とろけそうなのに、熱くて灼けつく。なにもかも綯い交ぜになった吐息が止まらない。
額から丁寧に落ちてきた翔の唇が、小鳥の唇へとキスをしようとしたその時、小鳥の鼻先からじっと瞳を見つめてくれる。
「俺の背中に抱きついて」
「うん」
まかせっきりで放っていた腕を、彼の大きな背中にまわしてそっと抱きついた。
「……ひっかいても、いいから」
「わかった」
小鳥の足と足の間で、翔がきちんと準備をしているのがわかった。
ついに、来ちゃうんだ。力を抜いて、お兄ちゃんを困らせない様に。
「小鳥。俺の小鳥」
そんなふうにいいながら、大好きなお兄ちゃんが、柔らかいキスをしてくれる。深く、長く。