愛シテアゲル


 また熱い塊が小鳥のそこにあたる。男の熱い息が小鳥の耳元で響いた。

「そう、もっと力抜いて」

 抜いているよ。でも、

「嫌だったらすぐやめる」
「嫌じゃないよ」

 熱くて硬くて大きなものが、何かを引き裂こうとしている。
 それがぎゅって押し込んでくる――。
 我慢、我慢。この痛いの、今日だけ我慢したらきっと、きっと、きっと。

 メキッとした痛み!
 痛い、痛い、痛い!!!

「小鳥、大丈夫か」
「だっ大丈夫!」

 腰が逃げている。でもそれをやめて、お兄ちゃんに抱きついて、もう一度、もう一度。彼も、こうなったらもう思いっきり行くぞ――と言わんばかりの必死な顔になっている。

「そのまま。そのままだ、小鳥」
「い、いやっ!」

 ついに翔の腕から逃げてしまう。

 その時、頭に『ガン』と殴られた様な衝撃が襲った。

 頭がくらくらして、目を開けると、翔兄がベッドの上から小鳥を見下ろしている。

 頭から、ベッドの下に小鳥は落ちていた。

 嘘、嘘。なに、この……状況!



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