愛シテアゲル
「俺は知っている。小鳥が小鳥のままでも、女らしいこと。やっと触れられるようになった」
今夜はそれだけで、俺は充分。
「二十歳、おめでとう」
熱い体温に包まれ、小鳥も彼のキスを深く受け入れて男の弾力ある唇を吸った。
「ありがとう、翔兄。今夜、翔兄と一緒にいられて嬉しい。私の夢が叶ったんだよ」
ずっと好きだった。大人になったらお兄ちゃんのような人と恋をしたいな。少女だった自分のおませな気持ちがいつしか初恋になって、焦がれる片想いになって。そしていま、彼と体温を分け合っている。
翔兄って。眼差しは涼しげで凛々しいけれど、裸になるとすごく熱いね。それがまだ言えないまま、でも小鳥は満たされた気持ちのまま、素肌で彼の背中を抱き返した。