Memory~記憶の欠片~
光にぃの車にみんなが移動し始めたから、俺もついて行こうとした瞬間、後ろから唸り声が聞こえた。
「んっ!!」
斜め後ろを振り返ると紫織が苦しそうな表情をして倒れそうになっていた。
「!?紫織っ!?」
急いで支える。
異変に気付いた光にぃたちが駆け寄ってくる。
「みんな…ごめん…なさい…」
!?
紫織が何故か謝る。
それがすごく悲しい。
「!?紫織!喋らなくていい」
俺は抱きしめる力を強めた。
その後、紫織は意識を失った。
急いで光にぃの車に乗せて紫織の家まで帰った。
家について紫織を寝かせる。
本当は俺たちも紫織の看病してやりたかったけど、俺たちにもやることがあるから律に頼むしかない。
「律。紫織ちゃんが目をさましたらすぐにみんなに連絡をしてください」
光にぃが紫織を見ながらいう。
「うん。わかってる」
律は元気がない声でこたえた。
はぁ、俺はあいつの幼なじみなのに……。
俺は憂鬱なままジャケットを着て玄関を出た。
〈朔side end〉