Memory~記憶の欠片~
「あの、すみません。私何も覚えて無いんです」
「「「えっ?」」」
3人は予想通り驚いている。
「お前、冗談キツいぞ」
ダークブラウンの髪の男性は少し怒っているようだ。
「すみません。冗談じゃないんです」
「紫織ちゃん、私たちのこと分かんないですか?」
「はい。すみません」
3人は唖然としている。
きっと私と仲が良かったからショックなのだろう。
その後、お医者さんに診てもらい検査を受けたが、脳に異常はなかった。
そのため、頭を打った時のショックで記憶喪失になったのだろうと言われた。
一週間程入院して退院することになった。
目が覚めた次の日にお医者さんに名前と年齢、ここに運ばれた経緯などを教えてもらった。
私の名前は『神城 紫織(カミシロ シオリ)』というらしい。
年齢は19歳。
両親はいないらしい。
目が覚める3日前に何かしらの事故にあったらしい。
全てが『らしい』で私には分からないことが多すぎる。
目が覚めて数日後。
いつものように窓から空を見ていた。
コンコン
「はい」
「紫織ちゃん、入ってもいいですか?」
「どうぞ」
ドアの向こうには目が覚めた時にいた3人の男性と知らない男性が1人いた。
目が覚めた時にいた3人の男性は病室に入ってくるのに、知らない男性はドアの所から動かなかった。