Memory~記憶の欠片~
「調子はどうですか?」
目が覚めた時にいた中の銀髪の男性がにっこりと微笑みながら聞いてきた。
「すっかり良くなりました」
「そう。それなら良かったです♪」
「あの、申し訳ありませんが皆さんのお名前を伺ってもよろしいですか?」
なんとなくこの人たちは私の大事な記憶の欠片を持っている気がした。
「私の名前は狐城 光(コジョウ コウ)って言います♪年齢は23歳です♪紫織ちゃんとは幼なじみなんですよ♪」
狐城さんはにこっり微笑みかけてくれた。
「狐城さんですね。よろしくお願いします」
「光にぃって呼んで下さい♪後、敬語は無しでお願いします♪」
“光にぃ”って言葉は何となくしっくりくる。
「タメ口はまだ慣れないのでごめんなさい」
「いえ。謝らなくて大丈夫ですよ♪」
光にぃは優しい微笑みを向けてくれた。
光にぃの自己紹介が終わると隣にいた人が喋り出した。
「俺は狗城 祐(クシロ ユウ)だ。年齢は21だ。光にぃと一緒でお前の幼なじみだ。祐にぃって呼べ」
「はい。祐にぃですね」
祐にぃはそっぽを向いて言った。
「はぁ。祐、ショックなのは分かりますがもっと言い方ってものがあるでしょう」
祐にぃは光にぃを少し見ると私を見た。
「…わりぃ」
祐にぃは軽く頭を下げた。