Memory~記憶の欠片~
目が覚めた時にいた3人の中の1人の黒髪の男性が私の目の前まで顔を近付けてきた。
ち、近い……。
「俺の名前は鴉城 朔(アジョウ サク)。紫織とは幼なじみで同い年」
無表情で自己紹介をしてくれた。
「あ、えっと、朔さんですね。よろしくお願いします」
「朔でいい」
「分かりました。ところで何でそんなに顔が近いんですか?」
疑問だったことをぶつけてみた。
「俺の顔をよく見たら何か思い出すかと思って」
「そうなんですか。ごめんなさい、思い出せないみたいです」
「そうか」
そう言うと顔が離れた。
うーん、朔は天然みたいです。