Memory~記憶の欠片~
「そうですよ。紫織ちゃんが五家の中心の存在の巫女なんです」
「俺たちはお前の幼なじみであり、同時にお前に仕える役目を持っているんだ」
祐にぃは素っ気なく言った。
「えっ?仕えるってどうしてですか?」
「……そういう掟なんです」
「掟?」
『掟』という言葉を聞いた途端、4人はとても悲しそうな顔をした。
私には分からない。
光にぃたちが私に仕える理由もこの違和感も何もかも分からない。
それに私は大事な事を忘れてる気がする。
思い出さなくちゃ。
「でも、嫌でしーちゃんと一緒にいる訳じゃないんだよ。掟なんてなくても一緒にいた。だから、掟なんて気にしないでね♪」
「あぁ、紫織が気にすることはない」
りっくんと朔が私を慰めようとしてくれてるのが分かった。
私はみんなのために何としても思い出さないといけない。
私が何者で掟とはなんなのか。
思い出さなくちゃ……。
何故だか分からないけど、私には重要な役目と大切な目標があった気がする。
早く記憶を取り戻そう。