Memory~記憶の欠片~





「そうですよ。紫織ちゃんが五家の中心の存在の巫女なんです」


「俺たちはお前の幼なじみであり、同時にお前に仕える役目を持っているんだ」



祐にぃは素っ気なく言った。



「えっ?仕えるってどうしてですか?」


「……そういう掟なんです」


「掟?」



『掟』という言葉を聞いた途端、4人はとても悲しそうな顔をした。



私には分からない。



光にぃたちが私に仕える理由もこの違和感も何もかも分からない。


それに私は大事な事を忘れてる気がする。


思い出さなくちゃ。


「でも、嫌でしーちゃんと一緒にいる訳じゃないんだよ。掟なんてなくても一緒にいた。だから、掟なんて気にしないでね♪」


「あぁ、紫織が気にすることはない」



りっくんと朔が私を慰めようとしてくれてるのが分かった。



私はみんなのために何としても思い出さないといけない。


私が何者で掟とはなんなのか。


思い出さなくちゃ……。


何故だか分からないけど、私には重要な役目と大切な目標があった気がする。



早く記憶を取り戻そう。





< 8 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop