もう春は来ない
「クラスメイトが亡くなったんだ。それを誰かのせいにするんじゃない。先生は今から山下の所に行ってくる。今日は自習だ」
担任は、今日もキミをココに置き去りにした。
静まり帰った教室に、キミと一緒に置き去りにされた僕らは、
それでも、誰も席を立たなくて。
誰も席を立てなくて。
『死ねば?』
キミの机に大きく落書きされた、ソノ文字を、ずっと、ずっと見つめるしかできなくて。
そして僕は、
その時僕は……。
――昨日、あんな話で笑ってたからだ。志村拓哉さん、スミマセンデシタ……。
色を失った窓の外の景色を眺め、とりあえずそう呟いた。
∴
∴
∴
∴
*
*
∴
∴
∴
∴