もう春は来ない
☆ 机 ☆
翌日――
教室に入ると、すぐにキミの席を見た。
でもそこにキミの姿はなくて。
それでも僕は、いつもキミがどんな風にそこにいたかも、どんな顔でそこに座っていたかもわからなくて。
いつもの机。
いつもの椅子。
キミはいつもどんな顔をしていたの?
キミは何を考えていたの?
だけど、僕らが昨日見た、あの笑顔ではなかったことだけはわかっている。
それだけは、わかっている。