女王の密戯
「流石茶田さん」

三浦が何故か表現を輝かせた。
十四も歳が違うとまるで別世界の人間のように理解出来ないのは何故か。育った世代、育てた世代、受けた教育の違いなのだろうか。

「だから話をしたい、というのなら聞いてやろうってことだよ」

茶田が言うと三浦はうんうん、と頷いた。
折角開けたのであろう二つのピアスホールは空洞のままでその意味を成していない。そのままにしていたらいつか塞がってしまうのだろうが、そこにピアスが嵌められているのを茶田は見たことがなかった。

「取り敢えず、愛宕に連絡して、あいつを帰そう」

撮影が終わるのを待っていたら何時になるかわからない。それなら由依は自宅に帰してしまったほうが都合がいいのだが素直に茶田の言うことをきくかは怪しい。
もし駄々を捏ねられたら先程のように上手く誘導するしかないが、由依は一見のんびりとしているように見えるがその実かなりの頑固者で一筋縄でいくかどうかは予想もつかなかった。






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