七番目の悪役
「ありがとう!」
「流石我らのヒーローだ!」
称賛の声にフランは笑顔で微笑んでいたが、内心はセシルのことが心配で仕方なかった。
「困ったことがあったらいつでも呼んで下さい。それじゃぁ」
「ありがとう、フラン。」
「ありがとうね!」
「悪いヤツをやっつけてくれてありがとうー!」
お礼の言葉に手を振って答えながらセシルが逃げて行った裏口を追う。
セシル・・・
役とは言えセシルを傷付けてしまった。
後悔と悔しさが胸の痛みとなってフランを苦しめる。
どうしてこんなに胸が痛いんだろう・・・
この気持ちは一体・・・?