七番目の悪役
ーーシャワー室ーー
「う~、気持ちいいのだー」
水が体全体を流れていく感触がなんとも言えない。いつもはただ静かなだけの城にシャワーの音が響いて安心する。
「あれ?服はどこなのだ?」
いつも置いてある場所に服がなかった。
「仕方ないのだ。」
水をさっさと拭きながら裸で城の自分の部屋に向かう。
「ダメだよ。そんな格好で歩いちゃ」
「なっ!」
後ろから声が聴こえて来て慌てて後ろを向くと二番目のヒーロー役のフランがいた。
ストレートのやわらかい茶色の髪
珍しいオレンジの瞳
自分よりも高い身長
いじわるそうな笑顔
自分の何倍も長けている完璧で非の打ち所がない人。
それがフランに対するセシルのイメージだった。