厄介な好奇心
 そこまで聞いても解らない事が一つあった。 

「僕がやってる開発を依頼している顧客というのは、いったい誰なんだろう?それに、なぜ僕なんだろう?」

「別にお前が特別なんじゃないさ。たまたまそこに就職しただけで、お前の脳ミソに恐れている訳でも無い。ただ、開発する時にバカでかいコンピューターを使ってるだろう?あれはな、クソみたいな集中力を維持出来る奴しか扱えない代物なんだよ。要は、解析能力はとんでもなく優秀なのであるが、そこに行き着くまでの道程は普通の人間には厳し過ぎる。多分、それにお前が選ばれたのは、どうしようもないヲタクだったんじゃないかと推測するが、どうだ違うか?」

 確かに、僕はパソコンヲタクには違いない。やろうと思えばハッキングなんかも容易に出来てしまうくらいだから。  

「そうだけど。で、さっきも聞いたこど顧客は誰?」
「日本防衛軍」

「はあ?」

「何が、はあ?だよ」

「だってあれはまだ名称を変えるとか変えないとか言ってる段階じゃないの?」

「馬鹿野郎。口に出した段階でもう出来上がってるんだよ。それに、裏ではとっくの昔に活動に入ってる。だから、俺もお前より先に抹殺の対象に上がったんだぜ」
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