厄介な好奇心
 ちょっと待ってよ。それって、政治的な話だよね?僕は一般市民。政治なんかには関係無い。

「なあ、小僧。これはな、国対国の権力争いなんだよ。分かりやすく言えば、世界を統一して、富の全て、権力の全てを手中にしたいという奴らが居るってことだ。勿論、それを吹き込んだ黒幕はたった一人の人間だろうが、核ミサイルを大量に発射して征服するなんて、考えただけでもゾッとするだろ?」

「戦国時代の天下統一と同じ考えなのかなあ・・・」

「そんなこたあ知らねえよ。戦国時代には俺はまだ生まれてなかったからな」 

「それはそうだろうけど」

「どうやら、こいつがお前を抹殺しに来た理由が少しは分かってきたみたいだな?」 

  
「こいつ、失敗したよね。じゃあ、これで僕はもう安全なのかな」

 そうは言ったものの、内心では分かっているのだ。組織って言われた意味が。また、狙われる。きっと、間違いなくそうなるだろう。 

 彼女の身体をまさぐっていたおっちゃんが何かを見つけたらしい。 

「くそ。やっぱりGPSを持ってやがった」
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