厄介な好奇心
 言われてみればそんな気もするが、そんな人間が近くの場所を選定するかという疑問も無くはない。しかし、確実に殺せるという前提の元なら、死体を処分するには都合が良い場所と考えてしまうのも頷ける。そうなると、おっちゃんの推測も万更間違いじゃないのかも知れない。

「おっちゃん、今から行こう」

 僕とおっちゃんは車を飛ばした。 

「なあ、おい。俺はあの廃墟を隠れ家にしていただろう?」

「あ、うん。そう言ってたよね」

「だから、あの辺りの土地勘は少なからずある。俺が考えたように移動式のロケットランチャーなら人目につかない山の頂上か、発射方向に都合の良い山の傾斜部だろう。そうなると、あるんだよなあ・・・・」

 おっちゃんは、やけに自信満々に語り、それを聞いた僕も何故か同じように自信満々となった。

 思い起こせば、あの日この街に到着した時、やけに山ばかりが多い街だなと思った。そればかりか、待ち合わせ場所まで山であった。あの山々の何処かに奴らのアジトがきっとあるんだ。それも、おっちゃんの廃墟からそう遠くない何処かに。
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