厄介な好奇心
 ロケットランチャーの有無と今もここが使われていることを確認したら、取り敢えずは引き上げることにしよう。その後のことはそれから考える。

 足音に気を付けながら建物に接近していく。 


 その時、銃声と共に右肩に激痛が走り、俺は地面に倒れた。 

 銃声は林に鳴り響き、真二の耳まで達した。


「おっちゃん」

 嫌な予感がした。真二はおっちゃんが向かった方向に走りだした。 

 それでも林に入ると用心しながら進み、おっちゃんの姿を探した。 

 建物が視界に広がる。 
「ここがアジトか?」

 真二は姿勢を低く保ち、辺りを捜し回った。 

 建物のほうから多数の人の声が聞こえる。だが、何を喋っているのか皆目見当がつかない。恐らく、日本人で無いことだけは確かのようであった。
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