厄介な好奇心
 チャペルに到着して驚いた。まだ夜中の三時だというのに、駐車場のいつもの枠に車が一台停まっていたのである。 

「おい、残念だったな。とてもじゃないが寝る時間は無さそうだ」

 おっちゃんは、チャペルから離れた場所で銃を準備すると、僕が貸した上着のポケットから一枚の紙とガムテープを取り出した。 
「それ、何?」

 おっちゃんはニコッとした。 


「まあ、いいから、お前はすぐに車を出せるように準備しとけよ」

 おっちゃんは、そう言って地面にしゃがみ込むような姿勢で車の背後に近づいていった。



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