厄介な好奇心
「あのう、階段から落下した記憶が一切無いんですが、本当に僕は転げ落ちたんですか?」
「今も説明しましたが、貴方が恨みを買ってるという心当たりもなく、ポケットの中の財布も取られて無い状況から判断すると、自分で足を踏み外して転げ落ち、その際に後頭部を強打し、一時的に気を失ってしまったというのが妥当な線かも知れませんね」
「それなら足を踏み外したという記憶があるはずなんですが」
僕は少しムッとして食い付いた。
男はそれに対しシレッとした顔で答えた。
「だから、部分的な記憶を喪失したんでしょうね、きっと。その証拠に、貴方は今こうやって元気でおられる」
何だ、それは。今元気ならそれで全て解決だとでも言いたいのか。
「今も説明しましたが、貴方が恨みを買ってるという心当たりもなく、ポケットの中の財布も取られて無い状況から判断すると、自分で足を踏み外して転げ落ち、その際に後頭部を強打し、一時的に気を失ってしまったというのが妥当な線かも知れませんね」
「それなら足を踏み外したという記憶があるはずなんですが」
僕は少しムッとして食い付いた。
男はそれに対しシレッとした顔で答えた。
「だから、部分的な記憶を喪失したんでしょうね、きっと。その証拠に、貴方は今こうやって元気でおられる」
何だ、それは。今元気ならそれで全て解決だとでも言いたいのか。