腹黒年下くんの甘い罠。
ガチャッ
カギが開く音が静かに響く。
「彩華先輩!!」
「あ....ゆっ侑李っくん....っ。」
カギを開けたのは侑李くん。
手元に小さなカギが見える。
侑李くんは今までに見たことのない表情で私に近く。
こんなに余裕のない侑李くん初めて見た。
私から出た言葉は驚くほどに弱々しい。
「彩華先輩。もう大丈夫だよ。」
ギュッ
ゆっくりと近づいて来た侑李くんは私と目線を合わせるように横に座って優しく抱き締める。
壊れ物を扱うように優しい手つき。
「侑李くん.....。」
暖かい。
その暖かさに安心を感じる。