腹黒年下くんの甘い罠。



「全く、何の進展もないのね。笑えるわ。」


私の目の前でフっと鼻で笑う芹奈。


「どーぞ笑ってやってください。」


「.....アンタどーしたの?マジで元気ないじゃん。」


机にうつ伏せになって嘆く私にさすがの芹奈も心配そうに声をかけてくる。


放課後まであと一時間。

なんと数学の先生が風邪で急遽、早退。

最後の授業は自習となった。


芹奈にはもちろん今までのこととかいろいろ話してる。

いわゆる、恋バナってやつですね。


「にしても、彩華が現実でしかも年下相手に恋するとは本気で思わなかった。初めて聞いたとき驚いたし。」


「私は今でも信じられないけどね。」


チラリと芹奈を見てみると以外にも私を真剣な表情で見つめていたので驚いた。


てっきり、ケータイをいじりながらとか、爪をいじりながら話しているのかと思った。


どーしてそんな顔で私を見ているの?





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