腹黒年下くんの甘い罠。



Side侑李


大粒の涙を流す彩華先輩。


どーして泣いてるの?


彩華先輩の涙を拭おうと彩華先輩に近寄る僕。


が。



「近寄らないで!!」


「っ!!」


彩華先輩が泣きながら僕に叫ぶ。


初めて、彩華先輩に強く拒絶された。


ズキッ


胸が痛い。


ほら、拒絶されただけでこんなに痛いんだ。

失ってしまったらどうなるの?


「どーしたの?彩華先輩?」


僕は平静を装って彩華先輩に聞いてみる。


正直、ここまで拒絶される理由がわからない。


だけどその答えはすぐにわかった。

彩華先輩の一言で。


「さっきの会話全部聞いた。」


「......っ。」


聞いてたんだ。


ズキッ


また胸が痛む。





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