腹黒年下くんの甘い罠。
Side彩華
「だからずっと寂しそうな顔をするんだと思いました。それから俺は荒れる侑李を強く止めることが出来なかったんです。」
淳太くんの切ない表情。
侑李くんの寂しい過去。
それは本当に寂しいもので....。
「私も恋愛ゲームの一人だったのかな?」
「違います。」
震える私の言葉を強く否定する淳太くん。
「初めはそうでも今は違う。ただ、彩華先輩に拒まれることが侑李は怖いんです。」
淳太くんの真剣な表情。
友達を思うその瞳。
私、今すぐ侑李くんのところへ行きたい。
侑李くんに気持ちを伝えたい。
私は侑李くんを拒まない。
「私、侑李くんのこと好きだよ?」
涙がなぜか溢れる。
「その気持ち、侑李にぶつけてください。そして、絶対に離さないでやってください。」
淳太くんはそう言って私の頬を流れる涙を拭いてくれた。