腹黒年下くんの甘い罠。
「私、侑李くんのところへ行く!!」
ガタッ
私は勢いよく椅子から立つ。
そして....
「待って。」
部屋から出ようとする私の腕を掴む淳太くん。
な、何?
淳太くんの表情はさっきまでの切ない表情とは違う。
何か他のことを切なく思っている感じがする。
淳太くんは私の腕を掴んだまま、ゆっくりと椅子から立つ。
ギュッ
「っ!!?」
なぜか、淳太くんが私を抱き締めてる!!?
淳太くんの予想外な行動に驚く。
淳太くんは壊れ物を抱き締めるように本当に優しく私を自分の腕の中に閉じ込めていた。
「少しだけ、こうさせてください。」
耳元で甘く囁く声。
「......。」
その声が余りにも弱々しくて拒むことなんて出来ない。