腹黒年下くんの甘い罠。
そして放課後。
一年生の教室の前を歩いていると....
「あのね、侑李くんのためにカップケーキ作ったの。」
「本当?ありがとう♪」
教室で女子生徒と侑李くんが二人っきりでそんな会話をしていた。
「じゃぁね!!また作ってくるよ!!」
女の子の嬉しそうな声。
そして教室から出ていく。
うわー。
すっごい嬉しそうな顔してるなぁ。
さてさてこんなもの見ずに早く帰りましょうか。
原田さんが待っている。
「あーあ。僕、甘いもの無理なんだよねぇ。要らないし。」
ポイッ
ん?
今、なんか違う人の声聞こえた?
てか、捨てた?
私はそーっと教室の中を見る。
教室にいるのは侑李くんだけ。
げっ幻聴か?
「これとかも要らないや。」
バサバザバサッ
「っ!!」
私の目の前の光景が信じられない。
だってあの侑李くんがカバンの中にあったプレゼントらしきお菓子を全部捨ててるんだもん。