腹黒年下くんの甘い罠。
「や、やっほー。ゆ、侑李くん。こっここんなところでああ、あっ会うなんて奇遇だ、ねぇ。」
ちゃんと喋れているだろうか?
ちゃんと平静を装えているだろうか?
いや、何弱気になってんの!!私!!
自分の演技力を信じなさい!!
ぐっと拳に力を込めて侑李くんの斜め上を見つめる私。
なんとなく目を合わせずらい。
「何?噛みすぎじゃない?」
私が一人で悶々と考えている間に侑李くんは私との距離を縮めていた。
侑李くんが浮かべる笑みはいつものものとは違う。
なんて言えばいいんだろう?
黒い?
「先輩、見たの?」
ドキッ
少し首をかしげて私を見つめる侑李くん。
どこか楽しげで挑発的なその表情。