腹黒年下くんの甘い罠。
「彩華せんぱーい!!お疲れ様でーす!!」
さっきは逃げられてしまったから今度は逃げられないタイミングで声をかける。
彩華先輩はというと僕の声を聞いてビクッと肩を揺らして硬直している。
で。
「ち・か・づ・く・な!!」
と口パクで言って来た。
そんなこと言われましても〜。
「彩華先輩すごかったですよ。かっこよかったです。」
僕は彩華先輩の言葉を無視して彩華先輩に近寄る。
「べっ、別に、わわわ、私何もしてないからっ。」
僕が近づくと挙動不審になってキョロキョロと周りを見ている彩華先輩。
周りの女子の視線が気になるんだね。
この動きは。
「フフッ、僕のことちゃーんと応援してくださいね?」
「わかったから離れなさい!!」
彩華先輩は僕のことを思いっきり押す。
ちょっと早く距離を縮めすぎたかな。
もう少し逃げれない状況にしてから距離を縮めればよかった。