腹黒年下くんの甘い罠。



僕の目の前でため息をついているのは、唯一僕の本性を知っている淳太。


新極 淳太ーシンゴク ジュンター

黒いサラサラの長すぎない髪。

整った爽やかな顔。


僕が可愛い顔をした美少年なら、コイツは綺麗な顔をした美少年だろう。


本人自覚なし。


なんやかんやで中学からつるんでいる。


「賭のこと聞いたんけど。」


「あ、聞いてたんだ。説明する手間が省けてよかったよ。」


「よかったよって....」


クラスメイトから赤のゼッケンをもらいながら適当に答える僕に呆れたようにまたため息をついている淳太。


「あんまりため息してたら幸福が逃げちゃうよ?」


「誰のせいだと思ってんだよ。」


眉間にシワをよせて僕を睨む淳太。


「試合、絶対勝つんだから。」


僕は淳太に不敵に笑う。


「ああ。お前がこんなに怒っているところ久しぶりに見たし。てか、初めて?」


そんな僕を見ておかしそうに笑う淳太。









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