瞳の向こうへ
遊びじゃないです。

仕事ですよ。仕事。

電話で会話出来ないのが仕事してるってことですよ。

「翔君は今日がデビューだよね」

「先発では」

「女子がまたキャーキャー騒ぎそうね」

「本人聞こえてないから何とも思ってませんよ」

葵ちゃんはペンを置いて背筋を伸ばした。

どうやら休憩するみたい。

「休む?」

「休みます。はかどりました。絶好調です!!」

余裕のVサイン。

クーラー様々だね。

『お知らせです。只今野球部の試合が終わり12ー0で勝利いたしました』

学校はほぼもぬけの殻だからシーンとしてるけど、私たちは違うよ。

会心のハイタッチ。

「ベスト4」

三日後に試合で次の日決勝。

この嬉しさを松井さんに伝えるべくキーボードを打ち込んでいた。

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