瞳の向こうへ
「翔がこのまま前に進めず暗闇をただあてもなく歩いて人生を過ごしていく姿なんて見たくないんです。翔が悪いんじゃない。あの場で翔は精一杯のことをした。私は翔に感謝してます。翔に光を照らしてくれるのは私ではなく今身近にいる相良葵さんだと私は思います。それに……」

「それに?」

「同じ技術を持った者同士何か分かり合えるかなと。直感です」

加奈子ちゃんはふうっと一つ息を吐いた。

しっかりした考え方だね。

今時の若い娘も捨てたもんじゃない。

まだまだ希望あるよ。

「加奈子ちゃん、この約束絶対実現するよ。誓っていい」

「でも、無理しないでください」

「大丈夫!大事な教え子は単純で天然系だから」
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