瞳の向こうへ
家に帰ってきたのはすでに十時を少し過ぎてた。

『おかえり』

二人とも柔和な表情で迎え入れてくれた。

『ごはん?お風呂?』

『先に風呂にする』

その場でユニフォームを脱ぎ捨て風呂場へと直行。


ぐわ〜、生き返るわ〜。

今日の試合少し思い出しそうだったが、頭をポンと叩いて強引に忘れた。

その日の試合を振り返りたくない性分なもので。

しかし、全校応援はかなりの迫力だったなあ。

地域の人たちや、ゆかりのある人たちも来てたはずだから大応援団だったよ。

興奮してガッツポーズしてしまいました。

テレビに使われそうで恥ずかしい。

甲子園はもっと凄い応援になりそう。

あのマウンドの感触は忘れてないよ。

意外にも緊張はしなかったかし、楽しめる余裕があった。

……途中まではね。

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