瞳の向こうへ
俺のバカ!今を考えろ!今を!

余計な考えをお湯をかぶって洗い流した。

いや〜さっぱりした。

汗かいたまま気持ち悪かったんだよ。

これで普通の人間に戻れます。

風呂上がりに水を一気飲みしていつもより遅めの夕飯。

もちろん俺一人だけのね。

さっきから思ってだけど、二人ともよそ行きの格好なんだよな。気になる。

『学校来てた?』

『来てた』

いきなり大正解か。

指で丸作るとは。手話でなくてもわかります。

『みんな祝福だ。おめでとう』

両親のささやかな拍手。

……悪くないよ。

むしろ感動。

なんかわからんが嬉しいなあ。

家族だけのちっちゃなお祝い。悪くない。

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