瞳の向こうへ
目が覚めてスマホで時間を確認したら一気に血の気が引いた。

今から学校行けばミーティング始まるギリギリだ。

スマホをほとほどにしとけばよかったと今さら後悔しても遅い。

家族の手話をいっさいシカトして大慌てで支度して学校までダッシュ。

今まで無遅刻が取り柄だったのに、今日で幕を下ろすなんて俺が許さん。

息をきらして校舎内を走る。

階段もダッシュ。

滑り込みの視聴覚室突入!

……イテエ!!誰かにぶつかった。

鼻打った……。効いた。これはマジ効いた。

『すまん、お前も今来たのか?』

『キャプテンももしかしてですか?』

『そのもしかしてだよ。間に合ってよかった』

キャプテンは後頭部を押さえながら席に。

俺はくしゃみが出そうで出ない。

この中途半端は困りますよ。

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