瞳の向こうへ
歩きながら考えてはみたものの、行き着く先はやはりここか……。

俺が部屋に入ると、相良先輩は立ち上がって背伸びをしていた。

テーブルには……見なかったことにします。

クーラー効いててマジ涼しい。

『あら!おめでとうごさいます』

『どうもです』

相良先輩と少し目が合った。

特別変化はない……表面的には。

『暇なの?』

『今日は暇です』

『この間はありがと』

『やる時はやるんだね』

潤子先生の軽い茶化しを流して壁にもたれかかった。

『それは宿題ですか?』

『あなたにしたら化け物なんじゃない?』

『間違ってないです。はかどってます?』

『もう絶好調過ぎて怖いよ』

『数学以外はね』

『あら、何をおっしゃってるのかよくわかりませーん』

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