瞳の向こうへ
魔術師彩佳の危険な術に危うくかかりそうでした。

でも……他人にわかりやすすぎる反応を見せるようになってしまった。

たった一度だけ。

それも、私をかばうために抱きしめたのに。

偶然互いの手が重なり合っただけなのに。


たったそれだけでこんなに愛しく意識してしまうもんなの?

……年下の子を意識してしまうの?

……好きになった?

「葵、快君だよ」

「あ!もう出番?」

いけないいけない。

テレビに集中!

テレビの向こう側の青柳君はりりしい顔つきだよ。

普段を知ってる私たちからすればずっと笑ってられるほどのギャップよ。

左手で抽選するみたい。

さて、結果は……。

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