瞳の向こうへ
私ってやっぱり有名人だよね?そうだよね?

見てる人はちゃんと見てくれてるんだね。

「そろそろいいですか?」

松井さんが腕時計で時間を確認しご両親におうかがいをたてた。

申し訳なさそうに松井さんに頭をさげました。

「あの……私は何も出来ないかも知れませんが、彼女の支えになれればと思ってます」

はっきりした確信が持てないのに言いきったよ。

今日は先走り過ぎだ。

また暑さにやられたのかなあ。

松井さんに連れられて一番奥の病室に来た。

「もうちょっとでリハビリ時間だから。同世代だからすぐ仲良くなるか。頑張れ」

松井さんに背中を押され私は扉をノックした。

中から甲高い女の子の声が聞こえます。

「失礼します」

ゆっくりと扉を開けた。

「いらっしゃい」

スマホ忘れたご本人がいますよ。

一緒にいるのが……。

「こんにちは!」

うわ!笑顔がまぶしい!

日差しが入り込んでるせいではないよ。

本当に素敵な笑顔なんだから。

女の子でもドキドキしました。

拒絶したい気持ちは一瞬で吹き飛びました。

< 166 / 325 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop