瞳の向こうへ
なるほどね。翔君が惚れた理由がわかりましたよ。

「こんにちは。相良葵です」

「初めまして。綾部加奈子です。翔君とタメです」

「年下?」

「二年生です」

私って年下の世代にこんなにドキドキする女の子だったんだ。

「加奈子ちゃん、聞いてくれる?どっかの顧問の先生がスマホ忘れて持ってこいだよ?しっかりしてほしくない?」

人質のスマホを加奈子ちゃんに見せつけてやりましたよ。

「先生〜、生徒に持ってきてもらったらダメですよ」

「はいはい。以後気をつけます」

潤子先生は平謝り。

言い訳しない潤子先生に免じて人質は返しました。

とりあえず掴みはよし!

意外と初対面の人とは割とすぐ打ち解けられるんだな。

「先生は向こうで待ってるから仲良くしなよ」

潤子先生はスマホをポーチに入れて部屋を出た。

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