瞳の向こうへ
「私の知る翔君は野球に関してはもう一人で何でもやるみたいなオーラ出してるからみんな頼りにしてるよ」
「それが本当の翔の姿ではないんです」
加奈子ちゃんにまじまじと見られ、何を言うべきか忘れた。
「彼はみんなに甘えるんです。手話できない子たちにも積極的に中に入って甘えてみんなで笑うんです。潤子先生から翔の様子を聞きました。今と逆です。みんなに迷惑かけないように無理して頑張ってるようにしか見えないんです」
そうなのかなあ……。
考えすぎなんじゃないかなあ。
「……去年、甲子園開催期間中に通行人を襲った通り魔事件あったの知ってますか?」
「知ってる」
私はその日家にずっといてテレビから離れられなかった。
「それが本当の翔の姿ではないんです」
加奈子ちゃんにまじまじと見られ、何を言うべきか忘れた。
「彼はみんなに甘えるんです。手話できない子たちにも積極的に中に入って甘えてみんなで笑うんです。潤子先生から翔の様子を聞きました。今と逆です。みんなに迷惑かけないように無理して頑張ってるようにしか見えないんです」
そうなのかなあ……。
考えすぎなんじゃないかなあ。
「……去年、甲子園開催期間中に通行人を襲った通り魔事件あったの知ってますか?」
「知ってる」
私はその日家にずっといてテレビから離れられなかった。