瞳の向こうへ
加奈子ちゃんの瞳には涙が。

ゆっくりと涙が頬に……。

加奈子ちゃんも我慢してるんだね。

私は自分の青いハンカチを出して涙をふいた。

「……すみません。泣くキャラじゃないのに」

私は何も言わず加奈子ちゃんを抱き寄せました。

「……やばいですよ……」

「こうしてあげることしか出来ないけど、前を向いてほしい」

すすり泣く声がする。

加奈子ちゃんを見れない。見たら自分も泣いてしまうから。

いろいろな想いが涙になってるんだろう。

自分が刺されてしまったショック。

両親に迷惑をかけた申し訳ない気持ち。

責任を背負い込んで突然いなくなった好きだった彼への想い。

私でよければいくらでも飛び込んできてください。

< 171 / 325 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop