瞳の向こうへ
ほら!私の素晴らしい機転をうまく利用しなよ尚太君。

「……そうだよ!!俺があんなとこでニヤニヤしてるわけねーよ。晴れの甲子園だぜ?なあ?」

弁解してる最中にスマホを落として青柳君がそれを拾い上げた。

尚太君のスマホと尚太君の顔を交互にチラチラ。

私が息をのんじゃいました。

「そうだよな!昨日ミーティングで久しぶりの甲子園だから真面目に堂々と行進しようと決めたルールをレギュラーが破るなんて考えられないからな。疑ってすまんな」

青柳君からスマホを返された尚太君は力が抜けたようにガクっとソファーに。

青柳君に目を合わせません。

「もう帰るのか?」

「帰る前にあなたの相棒を元気づけたいんだけど」

「ああ、もう帰ってくるはずなんだけど……」

青柳君が外を眺めてると、ちょうど翔君と紗弥加ちゃんがソフトクリーム食べながら入ってきましたよ。

「クリームついてるよ」

「ええ?そうなの?」

「マネージャー、ついてるぞ」

紗弥加ちゃんが慌ててポケットからティッシュを出して口元を拭いた。

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