瞳の向こうへ
カウンセラー室には先客がいた。

「お帰りなさいませ」

「楽しんできましたか?」

噂をすればなんとやら。

「真緒、遊び疲れた?」

「遊んでませんよ。私も引きこもりだったんですから」

「キャプテンは遊んでくれなかったの?」

「夏終わるまで会わないって」

あらら、野球以外のことになるとおおざっぱだね。

「でも、スマホさえあれば何とでもなります。昨日のラジオも聴けましたし」

真緒はかなり青柳君にのめり込んでいるね。

「真緒も聴いたの?」

「葵さんも?快さん私にしか教えてないとばっかり」

そうだよね。大切な人には真っ先に伝えるよね。

「私これから図書室行くのでどうぞ」

問題集やらプリントをカバンに詰め込んで真緒は図書室に行った。

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