瞳の向こうへ
第2話 年下の転校生
生徒会室へ向かう途中、またまた凄い轟音が響いた。


それからすぐに大粒の雨がまた降りだしてきた。


最近、降ってないからもっと降れ〜って、まるで他人事のように願いながら生徒会室へと入っていった。


「おはよう葵、調子は?」


唯がスマホを操作しながら私をチラッとだけ見て言った。


「彼にメール?朝からやりますねえ」


「朝からメールは当然。葵サマはもうお忘れかあ」


無表情でスマホ操作する唯に何も言い返せない。


とりあえず、コの字型の机中央に陣取ってる唯の隣に座った。


「年上の彼はどうなのよ?」


「別に」


「どしたの?倦怠期?」


「けんたいき?そんなのとっくに終わったかも」


「不倫?」


「葵!そんなんじゃないからね!ごめんこの話はまた後で。今から本題」


あらためて、唯が私をじっと見つめる。


「この後全校集会があるの」


「ああ、生徒会長一年の目標発表ね。私に出来ることなら」


「残念だけど、違う」


「え?」


「弟クンから聞いてるでしょ?」


「転校生のこと?」


「そう。はっきり言うけど、転校生の自己紹介を葵にやってほしいの」


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