瞳の向こうへ
試合後のインタビューを初めて受けた。

が、カメラがなかったので、テレビには写らないか。

ありがたいことに手話通訳士の男性が間に入ってくれたおかげで取材も手間取ることもなかった。

と、安心したのもつかの間。

次々と取材も受けることになり、みんなを待たせてしまった。

『どう?取材された感想は』

移動中のバスでキャプテンに感想を求められた。

『いや〜、メチャクチャ気持ちいいっすよ!』

一部のメンバーしかわからないのが残念だ。

本当はね、声を大にして迷惑になってもいいから雄叫びをあげたかった。

興奮して173球投げた疲れはビックリするほどない。

バスの中では久しぶりの充実感を味わった。

< 235 / 325 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop