瞳の向こうへ
川島さんの調子がよければかなりの接戦になる。

目の肥えたファンはそう思ってたでしょう。

しかし……。

五回終了で5ー1。

川島さんが打たれている。

同じ投手から見て調子自体は普通だとは思うが……。

初回、ランナーを置いて窪さんに回ってきた。

初球をいとも簡単にライトスタンドへ運んだ。

窪さんはスラッガーではあるが、右も左も打席に立てるスイッチヒッターだ。

左腕の川島さん相手だと当然右打席なはずだ。

だが、窪さんは左打席に立ち初球ホームランだよ。

俺たちには逆立ちしたってこんな発想は思いつきません。

そして二打席目も左打席で今度はレフトフェンス直撃のスリーベースヒット。

塁上のランナーを全て返しました。

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