瞳の向こうへ
そうです。私たちは若者の底力に頼るか、神頼みかの他人任せしかないんです。

部屋に戻ると、今度は校長先生からメールが。

『準決勝が終わるまで滞在延長を許可します』

なんという英断!!

確かに封筒の中身の金額はしばらく滞在出来るほど余裕あったけど。

このご恩はいつかお返しいたします。

ICUの面会は家族以外は午後からに決まっているらしく私たち身内以外の人間は立ち入りがある程度制限されてる。

ホテルを出るときも朝ほどではないけど大粒の雨が道路に強く打ちつけていた。

バッグを頭に抱えて急いでタクシーに乗った。

病院に到着し、カフェで時間を潰したが、さすがに一人だと長く感じる。

以前松井さんが暇潰しにやっているというゲームアプリをふと思い出してやってみるとこんな状況だけど、どっぷりハマってしまった。間違いなく迷惑な客と思われたでしょう。

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