瞳の向こうへ
二人仲良く帰った後、全開にしてある窓と遮光カーテンを閉じ、職員室へ向かおうと立ち上がった時、ノックもせず源先生が入ってきた。


「相変わらずユニフォーム姿似合いませんねえ」


「そう言うのはあなただけですよ」


「みんな無理してるのかしら?」


「余計なお世辞はあまり好きではないんで、かえっていいですよ」


大きくため息をついてソファーに腰を下ろした。


「練習は?監督がサボりだと示しつきませんよ?」


「な〜に、青柳と部長が今頃仕切ってますから平気ですよ」


用意した麦茶を一気に飲み干し、また大きなため息をつく。


「彼、ピッチャーなんですね?」


「そのようです。葵から知らされた時は私以上に青柳が驚いていました」


「青柳君夏までいろいろ大変だと思いますよ」


「大変になりますね」


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