瞳の向こうへ
真緒が視聴覚室から出ていった後、録画されている私自身を確認した。


最後に自分で確認して納得して終わる。去年もそうだった。


特に問題はない。


あとは運を天に任せる。


「フォローありがとうございます。真緒はわかってなかったみたいですけど」


「どうしたの?沈んじゃって。あなたは間違ってないわよ」


優しく手を握られた。


ヤバい……号泣しそう。


いやいや、ここで泣いてどうする。私は高校生ですよ。


グッとこらえて立ち上がる。


「気分転換に他の部活見学に行けば?」


「よそ者が簡単に行ける部活はあそこしかありませんね」


あとは潤子先生に任せて、私はグラウンドに向かう。


歩くたびに女子と出会う。


歩くたびに女子が増える。


みんな暇なのか……な?


そしてグラウンドに着いた途端、黄色い歓声ばかり。


ほとんど一年生の女子だあ。


そんな黄色い歓声をあげる女子たちを横目にベンチへと歩いていく。


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