瞳の向こうへ
「あ……、私でよければ」


「よっしゃあ！！これでむさ苦しい連中とゴールデンウィーク期間はおさらばだあ」


会心のガッツポーズを決める青柳君。


「もちろん川崎先生も付き合ってくれるんですよね？」


「…………」


「川崎先生？付き合ってくれるんですよね？」


「……ごめんね。先生もゴールデンウィークお出掛けなの〜」


青柳君にしてみたら絶頂から転落した気持ちだろうね。


「先生！私てっきり先生もいると思ってました」


「ごめん！本当にごめん！大人の旅行をどうかお許しください」


「うわ〜、これはよろしくないですよ」


以外にも堅物なキャプテンさんですなあ。


「別になにか変なこと起こるはずないわよ。男の子の理性があるうちわね」


「……俺に言ってるんですよね」


「もちろん」


「俺は手話をマスターするのに頭いっぱいなので、先生のご期待には応えられませんので」


はっきり言ってしまいました。


お互い軽く挨拶して教室に戻っていったけど、経験からいくと、恋の芽がね……。たまらないわ〜。

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