瞳の向こうへ
「ホント?よかったよかった」


『あ、もう切るね。身体に悪いしさ。そうそう業務連絡があるんだった』


「業務連絡?」


『とりあえず明日来れたら朝一生徒会室来てね』


「え?悪いことしてないけど」


『そんなんじゃないの。葵になんか悪いことしてたとしても、あたしは何も出来ないの葵が一番よーくわかってるでしょ?ま、とにかくお願いね』


「了解」


『それじゃね葵。愛する親友の彩佳様でした』


向こうから一方的に電話が切られた。


もう一度布団の中に潜り込む。


やっぱり汗くさいなあ。


でも、生徒会室に呼び出しってなんだろ?


悪いことはしてないし。


あったとしても、唯は私に強く出られないし。


偶然にも彼とデートしてるとこ見たおかげで唯の弱みを握っちゃった。


それも、年上のどこぞの学校の先生だって。


いや〜、びっくりしたけど、このことを知ってるのはたぶん私ぐらい?


人の秘密を知ってるのは何か興奮する。


って、唯のデート現場を思い出してるところでまたスマホが振動してる。


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