瞳の向こうへ
ひきつった笑顔で店員さんを出迎えた。


二杯目も半分飲んじゃった。


「若いね〜」


「それだけが頼りです」


二人に対して嫌味っぽく言ったつもりだけど……。


「じゃああらためて。今年の意気込みを」


軽く受け流されてるし〜。


女子高生の反抗はかすりもしませんでした。


「絶好調ですよ!!」


「一心同体でしょ?」


「違いますよ〜。私の方が声大きいです!」


小娘がムキになって対抗します。


「またまたあ〜」


「私の勝ちで〜す!」


「もう、仲良すぎ」


松井さんは呆れているよりも楽しそうに観察してた。


「今年はいけそう?」


「未来の私に聞いてみないとなんとも」


「そりゃそうだ」


この深く掘り下げないスタイルが私が松井さんに心許してる理由。

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